晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

毎日毎日秋の味覚攻勢で、昼寝もできないらしい。

弟「ボクって何だよ。俺の名前も嫁さんの名前も忘れてるくせに。いい顔したがるとこは昔から変わらないんだよ」
私「ふーん。じゃあ玄関先で他人のフリすれば?とっくのとうにあたしたちが義理とは言え孫だってことを忘れてるんだから、こっちがオタクを忘れたところで何の不都合がありましょう」
弟「いやそれがさ。このまま穏便にボケて行ってくれたら、って方向になってるんだよね」
私「あー」
弟「だって発狂するとスゴイでしょ。財布がないだの印鑑がないだのってさ」
私「でもさ、お父さんが自分の財を狙ってるって被害妄想が高じて、叔父さんちにぜーんぶ預けてあるらしいわよ。こないだ自慢してた」
弟「だからこのままニコニコとボケてくれたら、こっちも被害が少ないままで済むからさ」
私「でも是非、『あのーすいません、今日で3回目なんですけど、どなたですか?さっぱり思い出せないんですけど』ってやってみてよ。そしたら『あっ!名前もわからないまま話しかけてたけど、やっぱり知らない人だったんだ!』って靄の中に沈んでいって、そのままフラフラと病院に行ってくれたりするかも」
弟「姉貴には他人事でいいねえ。俺も高見の見物決め込んでみたいよ」