晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

"Je ne suis pas Charli"

シャルリ・エブド事件(の2日後にユダヤ系スーパーを襲った)犯人が育った街で取材。

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これまた見たい。肝心の町の名前を見てなかった。

 

その街は、ユダヤ教徒VSイスラム教徒の図が確立しちゃってる。フランス人VS移民、ではないところに刮目。

仕事はヤクの売人の見張り役。1回200ユーロ。

あとはその辺でラップ歌ってる。ユダヤ人とフランス政府の悪口でいっぱい。「フランスは”自由・博愛・平等”っていうけど全然そうじゃねーや!」。

そのスーパー襲撃犯はシリアかどっかに”留学”して、帰ってきたときにはもう人が変わったようになってたby地域の顔のソーシャルワーカー

 

でもそこで生まれ育ってその土地の言葉を喋り、その土地の国籍を持っている以上、そんなルサンチマンを免罪符にしたところで何一つ成功しないよね。適材適所を求めて、そんな不公平な土地からは出ていくしかない。文句言ってるうちに寿命が尽きるだろ。文句言って、仕事もしないで、不満を募らせて、でジハード参戦。

 

このあたりじゃ、ユダヤ人はユダヤ人学校に子供を通わせるんだけど、中には地元の公立に入れる人もいる。その地元に通った女の子が、父親と2人で取材受けてた。

興味深かったのが、その子が「学校生活はユダヤイスラムも関係なくとても楽しかった」と言いながら「休み中に、イスラエルに旅行したい、って言ったら、どうにも空気が凍った」みたいなことを言ってた部分。彼女はこの町のその学校でなら何とかなったけど、その地域全体で見ると完全に攻撃対象で、その父親もふだんキッパを被ってるけどその上に普通の帽子をかぶるし、五芒星のネックレスは服の下に隠してる、って言っててそれはまるで、

マルセイユで、ユダヤ人学校の教師が襲われることを知っていたかのような自衛策。

でも番組では、少なくとも、シナゴーグはモスクから指導者を招いて説教をしてもらったり食事会をしたりして、宥和を図っているという話だった。で妨害が入るという。

その取り組み自体は現実的で前向きでいいことなんだろうけど、こういうの見るとつくづくバカバカしい気分になる。神なんて!!神が在らせられるのであればいつからそこに在るのか?神が世界を統べるなら、預言者はいつでもどこでも遍く現れるべきじゃないか!って思っちゃうね。

 

ユダヤVSイスラム陰謀論をぶちあげてるサイトが色々あるらしくって、番組中「シャルリエブド事件の犯人が10発以上撃たれて死ぬ場面」を見ながら、「ほら両手が後ろに回ってる!」「捕まえたあとに殺した!」「撃たなくていいだろ!」「警察なんか!」と若者が大憤慨。

問題はさー、そんなのにのせられて「俺もシリアで戦士になっちゃおっかなー」「ジハードで死ねば天国で処女100人が侍るんだよねー」みたいな誘導に繋がっていくことなんだよね。人間が千年寿命があればそれでもいいけどね。踊らされてるうちに死んじゃうからね。

 

30年前に移住して、女手ひとつで3人育てたっていうアラブ人の母親と、そのうち1人の息子。息子は本体も頭も白い布、部屋はアラビア語の本でぎっしり。でもおかあちゃんはフツーのTシャツにピアスという、宗教には全然興味がない普通のフランス人。

「青い髪の毛の女性なんかはダメだね」

「なんでダメなの?別に禁止されてるわけじゃないし。”寛容の心”はどうしたのよ?」

「そういう問題じゃないんだ」

「あのケープを被ってると全然ダメよね」

といつまでも平行線で笑えた。母親はフランスに馴染もうと必死に生きてきて実際フランスに馴染んだけど、息子の方は結局フランス人になりきれなくて、自分のルーツであるイスラム教徒に”戻っていった”。フランスでそれをやるのはキツイだろと思うのが昔で、フランスでそれをやろうと思うのが今、って感じがした。

 

もう1回見たいなあ。