晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

#WWYD ていうタグがあって。


白人の不動産屋が黒人夫婦に、あんたたちふさわしくないわよ的なことを言う設定

1'00''過ぎ、「有色人種の」発言で見学の親子がめんたま飛び出す。

 

黒人の店員が白人のお客に、あんたにゃ売らないよ的なことを言う設定

 

他にもここ

https://www.youtube.com/channel/UCkgUu6CkOstdM7CsmLyfXjA

に何十本と上がってて。CCないのが玉に瑕PCでなら字幕ONできるけど、ただ自動書き起こしって不正確なんだね。ナレーションも混ざるしすっごく変。


日本語訳(全部じゃないけど)上げてる人もいる。

 

ここに登場するマイノリティも、彼らを侮辱する店員や家族も、全員役者。仕込み。お店にたまたま来たお客の一般人がかつがれるというドッキリ番組。

最初は、お客が目をひんむく瞬間が結構面白かったりしたんだけど。やっぱり、なんつーかこー、人が侮辱されてる場面はそれがいくら演技でも、まったく気分のいいものじゃない。見続けていくうちにげんなり。アメリカ人って、こういう挑発的な話が好きなんだなーとしみじみ思ったよ。あたしの細い神経は耐えられません。キニオーネさんの登場で、怒ってひっぱたく人が相当数いると思う。

 

ゲイをカミングアウトする息子と怒る父親っていう設定をみて、うちの子たちがもし「おれゲイなんだよね」と言ったらどうするか?真剣に考えてみた。一晩ぐらいはぶっ倒れる予感がするけど、まあマイノリティのうちはいい。世の中の男全員がゲイだったら人類絶滅する。だからマイノリティのうちはいいと思う。老後の心配はしときなさいよと口酸っぱくして言うだけにしとこう。

 

ゲイカップルがレストランに入ってきていちゃいちゃ、それを不愉快だ何だと騒ぐ女性客がいて、それを店員に言いに行った大学生2人。店側がゲイの2人を追い出そうとしたところで立ち上がって、女性客に「世の中の半分がアメリカを嫌いなのは、あんたみたいなのがいるからだよ!」って言うんだよね。へーーー嫌われてる自覚があるんだ!!驚いた。

 

ムスリムの店員がレジに立ってるサンドイッチ屋で、その接客を拒否して、周りのお客に「911を忘れたのか?こいつらだぞ?」と騒ぐ若者。たまたま軍服のお客が来て、「こいつらと戦ってるんだろ?」と挑発されて、「関係ない」と一喝。キニオーネさんに「誰のために戦っているのか?」と聞かれて、国民の権利を守るためでありますSir、と即答。即答がよかった。感動した。

今回のパリの新聞社テロなんか、もしあたしが穏健派のムスリムだったら本当にものすごく迷惑してると思う。でもそんなの、過激派か穏健派かなんて見た目じゃわからない。他の人種から傭兵入れたりしたら更にわからない。わからないから怖いんだよね。この設定の若者みたいに帰れ帰れ騒ぐなんて、無事に帰宅できない気がして怖い。絶対やんない。

 

日本は一見単一民族だからこれよりバリエーションの幅は格段に狭いけど、これ日本でやったらほんとセンセーショナルだな。もしあたしがこういうのに遭遇しても、立ち上がってやめろと言うかどうかは限りなーく怪しい。警察に電話したり店長呼んだりぐらいならできるだろうけど。

何も言わずに去れば自分の神経には優しいけど誰かは侮辱されっぱなしになるし、かといって、介入すれば言いたいことが言えたスッキリ感と引き換えに2,3日は眠れなくなる。しかも事態が好転する保証はない上に、自分の身が危険に晒されるかもしれない。困った。

 

中島さんの「思いやり」についての解説によると。

思いやりなんて単語を振り回す輩は基本的に上から目線だ(しかもそれを自覚していない)から、電車で立ってるご老人の横で「立って席を譲りなさい」と彼らが毅然として言うかどうかは、そこに堂々と座ってるのが小童かヤクザかでコロッと変わる。

この番組でひっかけられた人々も、自分が殴られるかもしれない状況や相手だったら口を噤んでたと思うなー。ゲイカップルは細面だし、お客を侮辱する店員は大抵女性だし、侮辱される側は売られた喧嘩を買わない。言われっぱなしで気の毒でならない光景だけがそこにある。

まあ設定はそれだけじゃないけど、もしこれが殴り合ってるシーンだったら、みんな警察に電話するだけで終わりじゃないかな。正義を行使しやすいように配慮された設定だね。まあ、テレビだからね。abcだし。ディズニーだし。