労働者が足りませんので来てくださーい、とドイツは言っている。歴史的決断でも何でもない、ただの求人情報だと思う。
ただしドイツなど西欧にやってくるのは、紛争国の市民だけではない。今年1月から7月までにドイツで亡命を申請した外国人のうち約43%は、コソボ、アルバニア、マケドニア、セルビアなど、バルカン諸国の市民だ。
これらの国ではシリアやイラクと違って、内戦や政治的迫害は起きていない。だが、経済状態が悪化しているために、ドイツなどに移住することで生活水準を向上させようとする市民が増えている。いわば「経済難民」だ。このため、バルカン半島からの難民の大半は、ドイツにたどり着いても亡命申請を却下され、国外追放となる。
しかし、彼らの多くはパスポートなど身分証明書をわざと持ってこないので、亡命申請の審査に最低3~5カ月かかる。ドイツ政府は全ての亡命申請者に毎月352ユーロ(約4万9000円)の小遣いを支給するほか、宿泊施設や食事も与える。つまりバルカン半島からの経済難民は、仮に国外追放になっても、ドイツに数カ月滞在すれば、それなりの「収入」になるわけだ。たとえばコソボの国民1人あたりのGDPは、約7000ユーロにすぎない。ドイツ政府が難民に支給する小遣いが、バルカン半島からの難民を引き寄せる「磁石」となっている。
お小遣い稼ぎの人が結構いて、それが混乱を更に混乱させている。こんなの全員キャンプに入れて完全現物支給制にすればいいのに。
このデータを見る限り、ドイツの難民認定率は決して高い方じゃない。
今回有象無象が大挙してやってきて、ドイツが認定率を上げるかどうかに注目だ。ドイツが一人で歓迎宣言して、一人で割り当て要求してきて、これで認定率下げてたら笑えない。あたしがオルバンやチプラスだったら怒るわ。
川を渡ろうとして溺死したシリア人青年。従兄弟と兄弟が彼の死を嘆く。レポーターが彼らのスマートフォンにある集合写真等を見せてもらいながら「シリアの平穏な村での日々を見せてくれました」というではないか!「銃弾ではなく?平穏から逃れて?」とその意味不明さに混乱したのはあたしだけではあるまい。
ドイツでハネられても帰る気のない人や、難民認定されても食っていけるほどでもない人は、きっと周辺諸国に流れて双方不幸なことになる。ドイツは需要があるんなら普通にビザ発給すればいいんじゃないの?
祖国にいて戦う人はさておき、逃げるだけの旅費も出せない貧乏人や歩けない病人、老人、逃げても周辺のキャンプが精一杯の人が難民認定されるべきであって、線路を歩いてやってくる彼らは食うや食わずやの難民じゃない。
東欧が割り当てに反対するのは、受け入れるだけの器、施設や雇用がないのもそうだけど、難民本人たちがドイツに行きたいのを勝手に貧乏国に行かされても怒るだけだからだと思う。