晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

去年は4センチ、おととしは3センチ、今年は5センチも伸びたんですよアハハハハと笑う人がいた。

誰かに「息子さん大きくなりましたねえ」と声をかけられて、とても嬉しそうだった。

あたしはものすごく複雑な気分になった。

 

それを言うなら委員長は毎年その倍レートで伸びてるし、いや実は何センチかなんて覚えてないぐらい身長なんかどうでもよくって、重要なのは中身で、だからあたしならそんな社交辞令に身長ネタなんか返さない。大きくなりさえすればよかった乳児とはワケが違うと思う。そんなに嬉しそうに身長を言う割りに彼はクラスで1番小さくて、しかもコロコロに太っていて、運動も勉強もまるでできない。それでも純粋に、まるで乳児のころと全く同様に、彼は彼の成長が嬉しいんだろう。そうでもなきゃあんなスラスラと成長曲線をしゃべることはできない。

その子は半日ずっとゲームで遊んでた。iPadPSP3DSを次々に取り出して、とにかくどの端末でもただのゲームしかしてなかった。まるで幼児だ。いやそれなら、毎年10センチずつ伸びてて運動神経抜群ならゲーム漬けの脳味噌でいいのかという話になりはしまいか。

彼は勉強しなくていいのか?そうです彼は地主の子です。大人になる必要がない。

うちの子は彼が羨ましいだろうなあと思う。勉強しなくてもいいということにおいてのみ羨ましいならまだわかるけど、彼のようになりたいと思うだろうか。友達いない兄弟いない勉強も運動もダメ、でも将来安泰。いろんな端末を買ってもらえていろんなゲームを買ってもらえて、それで1日中ゲームで遊べて、勉強できなくても運動できなくても全然怒られない。親は幼児をあやすような顔でニコニコしてる。子どもの成長した姿が眩しくて、これからもずっと純粋に嬉しい。

あたしは羨ましくない。でも部分的には羨ましい。子どもにガミガミ言わなくてよくって、ゲーム与えて家庭内平和で、、、いやどうだろうか。いくら生活が左団扇でもこうはなりたくない。身長なんかどうでもいい。羨望はあっても嫉妬はしない。だからきっと羨ましくはないはずだ。嗚呼('A`)