晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

さっきマイケル・サンデル「究極の選択」をNHKでやってた。

この人の提議には、極力リベラルなつもりでいてもどういうわけか大抵反対の立場になる。この人が嫌いだからとかじゃなくて、あたしがそういう思想の人間だってことだと思う。
例えば教育の現場で、生徒の成績に応じて金員を支払うのは是か非か、という議題。
100点とったらボーナスたくさん!てのは個人的には方便としてまったく是だろうと思うんだけど、憲法としては非。そこにいる学生もタレントも誰ひとりその国是を知らない。向学心にお金はいらない云々、美徳が云々、おカネばっかり追求しなくても云々、とか。
よりよい教育はよりよい勤労のために求められるべきだし、よりよい勤労はよりよい納税のために求められるべき。教育って投資じゃん。その成果は成績じゃなくて勤労に反映される。成績の対価として金員が支払われてはならない。なんでこんなことをしのごの道徳的に議論したいんだかまったくわからん。
他にもインフラで困窮する*1のどうのこうの、消防車が消火活動しない*2のはどうの、不妊治療で子宮提供*3がどうの、とか。なんでみんな唸ってんの??3秒で迷わず答えが出るあたしってどっかおかしいの??とさえ思う。
市場原理を善か悪かで制限したいならその境界を決定しなきゃならない。でも自分の良識で他人を裁くほど、あんたの正義は神に近いのかと。サンデル先生って自分の意見は言わないけど、雰囲気に色つけるよね。あたしほぼすべてにおいて反対意見だからすっごくよくわかる。

*1:死者が出るような旱魃でも水道水には値段がある。

*2:保険に入ってないなら自費でなんて常識中の常識。

*3:お金はあるけど子供がいなくてお金がないけど子供が産めるというのは単なる取引、純粋な契約。産んだから自分が母親だと思うなら最初から一人で産めばいい。