晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

着床前診断。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00233944.html

大谷レディスクリニックの大谷徹郎医師は「妊娠したけど、流産。つらいですよね。だったら、最初から戻さない方がいいという選択肢もあるわけで。そういう選択肢を提供するのが、着床前診断」と話した。大谷医師は、2011年から2012年にかけ、100組以上の患者に対し、「新型着床前診断」を行っている。

しかし、日本産科婦人科学会では、まだ認められていない。

染色体を全て調べ、健康な受精卵を選ぶことが「命の選別」につながるという。

日本産科婦人科学会の吉村泰典前理事長は「着床前診断だと、病気の胚は捨てるわけで、病気を否定することにつながっていく。日本人として、社会として、われわれは、そういったことを許せる社会なのかどうかということを考えていくということは、すごく大事なこと」と話した。

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優衣さんは「本当に、おなかの中で亡くなってしまうのを防ぐためというか、健常な子が欲しいからやったというわけではなく、本当に生きて生まれてきてくれる子どもが欲しかった。ただそれだけなんです」と話した。

 


 

まず、巨大な疑問があるんだけど。

病気を肯定する人っているの?病気を否定するからみんな病院行くんじゃなくて????

いやわかるよ「生命を否定しない範囲で病気を否定したい」んでしょ。これは、生命と病気を天秤にかけたことのない人間の詭弁だ。病苦で自殺する人の結論て、病気の否定=生命の否定だから。

でも生まれる前の本人が、それを天秤にかけることはできない。その人生を生きるのはその子なのに、本人が否定派か肯定派かは知り得ないのに、親が寿命で死んだ後も子はその病気を抱えて生きていくのに。つまりは親次第。

もしあたしが重篤な遺伝子疾患の患者で自殺もできないほどの寝たきりで、隣家の普通に健康な子が着床前診断で生まれてるって知ったらどう思うだろうか?親戚に遺伝子疾患の人がいてまさに我が子がそうだった時、着床前診断後に産まれたという健康な子をどう思うだろうか?

だから健康を追求できるんだったら、健康を追求しようよ。ね。

 

この人が苦しんでこの診断に辿り着いたことは容易に想像できるけど、この診断と決断が何を意味するのか正確に把握してないんじゃないだろうか。その選択は正しいと思うよ。でもその「ただそれだけ」って何それ。堂々と、「生きて産まれてくる健康な子が欲しいからやったんです」と言わないのは、言わせてもらえないのか理解していないのか。

だってこの人の欲しかった「本当に生きて生まれてくる子」っていうのは「おなかの中で亡くなってしまわない、生まれてくるまで健常な子」だよね?あからさまに矛盾してるよね?で、生まれて来てからはどうなの?生きて産まれてくるほど健康で、でも産まれてみたら不健康でしたなんて子を授かりたいと思う親がいるの?とにかく健常な子を選別したかった、ただそれだけですでいいんじゃないの?

 

 

人がわざわざ選ばなくたって、不健康な胚なら神が淘汰する。選別してるのは最終的には人間じゃない。発生を続けられないほどの異常がある、それを発生する前に診断してその異常を排除して何がいけない。胚が人になった後だって不健康なら淘汰される可能性は高いし、いくら健康でも100年すれば死ぬ。

どんな内容の生命でもただ自分たちが欲しいから欲しいなんてエゴでしかない。そういったことを許せる社会かどうかじゃなくて、そういったことを当然のこととして受け入れる社会について論じるべき。毎日20万人も増えてるんだからさ。何だっていいってわけにはいかない。