晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

この叔母は知らない。

あたしが、ゴミの分別だとか無駄な消費だとかに大層厳しい家庭で育ってきたということを。
昔あたしがうるさい母親に業を煮やして、蚊をたたいて落としたとき「これは燃えるゴミ?燃えないゴミ?どっち?」と噛み付いたことを知らない。かいわれ大根のスポンジに細かく張った根を丁寧に取り除くために、数時間を費やしたことが何回あるかも知らない。コメのとぎ汁が、卵の殻が、お風呂のお湯が、テレビが、トイレの水が、電気が、ガソリンが、何が、何が、何が・・・。
あたしはあの頃、つくづく思った。コメなんかとがなきゃいい、卵なんか食べなきゃいい、お風呂にお湯なんか張らなきゃいい、テレビなんか買わなきゃいい、トイレなんか流さなきゃいい、電気なんか引かなきゃいい。