晴釣雨読

As the train goes through the mountain path, leaning on the lightcyan window, only I would think about my fun.

2007-02-11から1日間の記事一覧

「あたしってヨーデルが大好きだから、こんど本場のコンサートに行くの」

とでも言ってくれたら、とびきり大げさに驚いてあげるけどさ。猫が好きだの計算がキライだのと面と向かって言われても、だから何なのよとしか。

とまあ、

このように宣言されると当然反論したくなる。質の悪いことに、この構文で話を切り出す当人には、罪の自覚なんてサラサラない。がこっちも当然そんなことはクチには出さずに、「そーお?そーかぁ?」と心の中で毒づいておく。 そしてその構文が延々と展開され…

で冒頭の、まったく納得のいかない構文というのは、例えばこうだ。

「私って映画がすっごく好きだからー、試写会も全部申し込むしロードショーもはしごするの」 「私って猫がすっごく好きだから、肉球をずっと触ってると落ち着くの」 「私ってすっごくお料理が好きだから、いつも買い物は・・・でして、身支度も調えて1時間…

3)自己申告の正当化。

読んでそのまま字の通り、自分でそう言い張るだけで証拠も例示も何もない、もしくは、具体例があってもまったく参考にならないこと。 「すっごく食べる」という宣言から、彼女の食べる程度はさっぱり想像できない。 ランチならラーメンと半チャーハンとあと…

傲慢。

彼女の「意外でしょう?」が成立するには、事前にあたしが「彼女はあんまり食べないんだろう」と想像しておく必要がある。だから「すっごくよく食べるんですよ」と言い切った時、彼女は「想像の捏造」「事実の提示」という二段仕込みで意外性を強要した。 も…

2)意外性の強要。

もしあたしが、AがYかどうかについてまだ評価していないとしたら、それは、AがYかどうかなんていうジャッジに全く興味がないから。 そこにいきなり「あたしってYだから〜」と言われると、「あんたちょっと待ちなさいよ誰もあんたがYだなんて言った覚えはあり…

例えば

「私ってわがままだから、そういうの嫌いなの」 「私って忘れっぽいから、そういうの覚えられない」 と言われたらどうだろう。 「私って・・・だから」の部分はほとんど必要ないんじゃないだろうか。そういうのキラーイ、そういうの覚えられなーい、と繰り返…

1)自己評価の一般化。

「他人Aの性質がYかどうか」を評価するのは、A自身の仕事じゃない。周囲が「AはどうもYだね」とおおよその判断をつけるわけ。「あの子ってわがままよね」「あの子って忘れっぽいかも」という具合に。 だから周囲の認識がおおかたのところで一致する前に、「…

これは重罪だ。

「私って思いやりがある人だから、困ってる人を見るとつい助けちゃうんです」 という、まあありえなさそうだけどこう言った人があるとしよう。 まずこの構文の第一の罪は、自己評価の一般化。第二の罪は、意外性の強要。第三の罪は、自己申告の正当化。

で、単なるリスナーのあたしは、声を大にして言いたい。

「あんたが大食いかどうかなんて興味ないです」と。

意外性というのはだね、

自分の認識と事実が異なっていたりする場合を表現する言葉なんだから、彼女が「私って・・・なんですよ」とギャグでも何でもなく唐突に宣言した時、聞かされた方はたまったもんじゃない。それまで彼女について何の認識もなかったにもかかわらず、相手の意図…

意外性の強要。

尋ねられもしないのにいきなり「すっごく食べるんですよ〜」と言った時、彼女は相手が「あー、そんな感じですよねえ」と納得するだろうとは全く予想していない。彼女は、「(あなたが思っているよりも)私はすごくよく食べるんですよ(意外でしょう?)」と…

いつだったか渡辺満里奈がJ-waveで

「私、すっごく食べるんですよ」 と言うのを聞いて、あたしは鳩が豆鉄砲を食らったような気分になった。驚いた。 何に驚いたって、あたしは「彼女が大食いだということ」にじゃなくて、「彼女は自分が少食だと思われているだろうと思っていること」に驚いた。

納得のいかない構文。

「私は外反母趾だから」「私は胃下垂だから」 というのはわかる。定義が明瞭だから。客観的に判断できることだから。 でも例えば、 「私は前向きに生きてきたから、・・・だ」「私は曲がったことが嫌いだから、・・・だ」 というのは、さっぱりわからない。…